父と子の二人旅~雪の大地へ~
主人と息子の二人旅。
北海道の知床半島の羅臼、極寒の地へ、修行のような旅。
現地で山岳ガイドをしている主人の友人に、大変お世話になりました。
小さな島で生まれ育った息子に、視野を広げて欲しい。
極寒の地で暮らしている友人と会わせて、何かを感じて欲しい。
しまでは絶対に見れない、それもこの時期にしか見れない
流氷を見せたい・・・。
すべての目的が叶い、息子は一皮むけたような笑顔で戻ってきてくれました。
詳しくは、以下に写真と共に紹介します!
ルシャの流氷

今回の旅が叶ったのは、主人の友人であり、知床で登山ガイドをしている
石田さんのお陰。
石田さんと主人は、日本の北の果て、礼文島で出逢い、利尻島をバイクで
一周し、石垣島や日本最西端の与那国島でも酒を酌み交わした仲で、
8年前にはやっぱり西の端の五島列島の我が家へも遊びに来てくれました。
そして太志とは、その時一緒に我が家のお風呂に入った仲!!
石田さんは現在、日本最北西端の知床半島の、まさに端っこ(石田さんより先に
人は一人も住んでおらず、隣の家は5km西に行ったところだそうで、
息子たちが滞在中はずっと、石田さんの家の30m先が通行止めに
なっていたそうです)に、奥さんとお二人で山岳ガイドとして暮らしています。
せめてものお手伝いをと、雪かきする太志。
滞在中は毎朝の日課として30分から1時間ほど、雪かきをしてから出かけたそうです。
朝起きたら車に積もる雪の山に、ちょっと興奮状態の太志でした。

家の前も、どこからどこまでが道路か分からないくらいの雪。

そんな友人宅から見える、国後島から登る朝陽は、
自然と手を合わせたくなるほどの神々しさ。
雪も、朝日も、とてつもなく眩しく、美しい。

今回の目的の一つ、流氷!!
石田さん曰く、羅臼の流氷は風によって、国後との間を行ったり来たり
するそうです。
いつでも見れるわけではなく、この時期でも流氷が沖へ流れていき
見れないこともあるらしいですが・・
2人が現地に滞在中、ちょうど陸地へ寄ってきた流氷✨
五島では、絶対に、見れないものの一つ。

その流氷に乗って、世界でも5.000羽しかいない
天然記念物の「オオワシ」がやってきます。
日本で一番大きなワシのオオワシが、この時期の羅臼に2.000羽ほど
いるそうです。

以下は、爆風のルサのっこしへトレッキングをしている様子。

慣れない雪山で、ガイドの石田さんに食らいついていく太志。

こんな雪山なのに、薄着の太志。
すごい運動量なので「途中から暑くなった」とのこと!

初日はスキー訓練。
ゲレンデスキーの経験はありますが、初めての山スキーで
いきなり流氷BC(バックカントリー)スキー!

ルサのっこしへ

途中父に支えられながら、何とか登りつめました。

爆風のルサのっこしに立つ父子

知床半島の稜線上にあるルサ乗越(のっこし)は、北側の斜里・ウトロの海も、
南側の羅臼の海も同時に見える絶景ポイント。
当日も360度の、美しく雄大な景色が広がっていたそうです。
石田さん曰く、「中学生がこの時期ここまで来れたのは
太志君が初めて!」とのことでした。

「北海道で一番おいしかったものは、雪山のテントの中で食べた
カップラーメン!」と、帰宅後話してくれました。
普段食べないし、疲れと寒さで凍える中、湯気の出るラーメンは温まり、
さぞ美味しかっただろうと思います。
その他、石田さん手作りのエゾ鹿肉のカレーや、
燻製したハムは絶品だったそうです。

ビバーク訓練

息子は小学生の頃、上五島の姉妹都市である長野県北相木村に、
交換留学生として数日滞在した時と、私の友人が北海道に嫁いだので、
私と二人旅をした時に、スキーを経験。
「結構センスがある。うまいね!」と言われていたのですが、
「現地の雪は、スキー場とは雪が全く別物。足が埋もれて、
思うように滑れなかった」とのこと。
転んで・・

転んで・・

転んでは起き上がり・・・
(太志を助けに行く主人。)

それでもみるみる上達、無事に
稜線からの新雪滑走を果たしたとのこと。

この時の様子は、今回お世話になった、登山・トレッキングガイドを行っている
「知床俱楽部」の石田さんのブログ、Facebook(2月13日)で紹介していただきました。
(興味のある方は、ぜひご覧ください!)
小さな西の島で生まれ育った太志。
一日あれば、難なく一周できる島。
4月からはいよいよこの島を出て、本土での生活が始まりますが、
日本は、世界は、広い!
これから彼が生きていく中で、
流氷を見て感動したこと。
エゾ鹿やキタキツネやオオワシに出逢ったこと。
極寒の地で日々自然と向き合い、たくましく暮らす石田さんの
背中を追って、父と雪山を登ったこと・・。
この6泊7日の旅を時々思い出して、彼が生きていく上での
糧にして欲しいと願っています。
そして、自分の知らない世界がまだまだたくさんあることを、
今回の旅で感じてくれたら嬉しいです。
