神楽を舞う~一生に一度の体験~
例大祭では、お宮の中で氏子による神楽が奉納されますが、
「えん」の留学生は、毎年この「神楽を舞う」という経験を
させていただいています。
ケイタ君の表情が神妙なのには理由はあり・・
学校で、担任の先生から「上五島神楽」の歴史について教えてもらい
「上五島神楽って、すごいんだよ!そんなのを僕が経験するなんて!!」と
ちょっぴり興奮状態だったのです。

上五島神楽について、町のガイドブックより一部抜粋・・
「上五島神楽は400年以上の伝統を持つ神楽で、上五島の風土の中で、
先人たちのたゆまぬ創造意欲が独自の神楽文化を生み出しました。
その伝承地区は、旧冨江藩領である新魚目地区と上五島地区で、
秋にはその地区のほとんどの神社で賑やかに神楽が奉納され、
島の人々により、大切に支えられている上五島最大の伝統芸能です。」

「昭和56年、長崎県の無形民俗文化財に、さらに平成14年には、国の
選択無形民俗文化財の指定を受けました。
~島の宝から国の宝へ~
上五島神楽の文化的価値は、ますます高まっています。」

そんな歴史のある神楽を、僕が舞うなんて・・!
緊張の中、時折笑顔を見せるケイタ君。

これは、村回り。
前の日には前夜祭があり、夜の9時まで神楽を舞った子どもたち。
翌朝のこの日は、神輿を引きながら、太鼓や笛の音とともに、
地区内を練り歩きます。

地域の方とお話をしながら、スバル君楽しそうです。

村回りが終わったら、お宮の中でいよいよ神楽です。
ガイドブックによると・・
「舞の種類は30番。畳2枚分の板張りの上で繰り広げられる
上五島神楽は、他には見れない大太鼓、小太鼓の激しい
リズムに乗った躍動的な舞や、衣冠装束のみやびな舞、また70番の
表情豊かな面舞など、一つ一つがメリハリの利いた特色ある
舞神楽で構成されています」

30番の神楽のうち、「佐男舞」をリズムよく舞った、スバル君。
例大祭の10日ほど前から、毎日放課後にお宮に通い、
宮司さんと練習してきました。
宿題が終わらない‥足がきつい・・と言いながらも、一度も練習を休まず
本番ではご飯があまり食べられないほど緊張していましたが、
堂々と舞った姿に感動しました。

かなりハイレベルの「荒塩」を、堂々と舞った、ケイタ君。
お盆の持ち方、足さばき、舞う順序・・どれをとっても難しかったですが、
「舞わせてもらう、ありがたさ」をかみしめ、丁寧に舞う姿は
かっこよかったです。

「こんなこと、絶対に一生ない経験だから」と、何度も言いながら
練習からがんばったね!

自分たちの踊りが終わって、ホッとしていたら、天狗が
飛び出してきました!

と思ったら、獅子駒も!!
スバル君がずっとこれに大喜び大はしゃぎで、見ていて
私たちも楽しかったです。

お昼に終わって、神社の近くにすむ主人の母、ママリンのうちへ。
「よく頑張ったね」とごちそうしてくれました。

そして夕飯は、神社からいただいた大きなお弁当を。
2人ともお疲れ顔。
留学生には、1年という限られた中で、ここでしか、今しかできない
たくさんの経験をしてほしいと思っています。
大変だったけど、とてもいい経験ができたね。
この日は2人ともバタンキューでした(*'ω'*)

